PS3レビュー・感想:シャリーのアトリエ~黄昏の海の錬金術士~

ジャンル
RPG
対応機種
PS3
メーカー
コーエーテクモ(ガスト)
公式サイト
シャリーのアトリエオフィシャルサイト
発売日
2014年7月17日
2015年7月2日(ベスト版)
おすすめ度
★★★★☆

アトリエシリーズ第16作目にあたる本作。
「アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~」「エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~」に次ぐ黄昏シリーズの3作目、最終作です。

【 評価できるポイント】

  • 効力値最大は999。果てしなくやり込める調合。
  • マナケミアを踏襲したテンポの良い戦闘。
  • 音楽は安定の高クオリティ。

【評価できないポイント】

  • 期限撤廃。
  • 錬金術士レベル99に至るまでが著しい作業。
  • 唐突な展開をみせるイベント。フラグ管理がおかしいところなど。
  • エンディング数激減。
  • pppバグ(パッチで修正済み)

以下、詳しく評価していきます。

ストーリー

何度目かの黄昏の時代が始まり、緩やかに終わりの時を迎えつつある世界―。

主人公の一人・シャリステラの故郷であるルギオン村は深刻な水枯れの危機に瀕していました。
一族の長の娘であるシャリステラはこの事態を打開する方法と支援を求め、先祖代々守り続けてきた「船」を用いてオアシスの街・ステラードを目指しています。

もう一人の主人公・シャルロッテは亡き父の残したアトリエを引き継いだ新米錬金術士。
「ビッグになりたい」という漠然とした野望を抱きながらも、現実には日々の生活にも窮している始末。
組合からの細々とした依頼をこなす毎日です。

こんな対照的な二人の出会いから、やがて黄昏の真実へと物語は流れていきます。

二人のシャリーの物語

主人公はシャリステラとシャルロッテ、≪シャリー≫という同じ愛称をもつ二人の少女。

前作「エスカ&ロジーのアトリエ」でも二人の主人公が採用されていましたが、どちらを選んでもストーリーはほぼ一緒。
対して、今作では行動を共にするようになる第5章までは選択した主人公ごとにそれぞれ違った展開が楽しめるようになりました。

他にも、仲間キャラのイベントや調合スキル、戦闘スキルなど主人公ごとに差別化が図られており、周回プレイも飽きさせない作りになっています。

その反面で、両主人公をプレイしないと全体像が捉えづらいという欠点にもなっています。
ステラ編では?なオートマタ関連、ロッテママのイベントやクロッツェ姉妹のイベントなど片方の主人公をプレイしただけでは想像力で補完するしかない状態。

イベントに関しては、他にも前のイベントを見落としたかと思うほど繋がっていないものや明らかにフラグがおかしなもの(起こる順番が逆ならしっくりくる)が多々ありました。
主に移動手段である「船」で起こるイベントは総じておかしなタイミングで発生します。
この辺りは内容以前の問題なので、きちんとしてほしいところ。

三部作を締め括る黄昏の根幹に迫る部分もやや消化不良ぎみ。
ラスボスの唐突感は否めませんでした。
黄昏は一朝一夕でどうにかなるものではないとは思いますが。
もう少しすっきりする終わり方はなかったのかなと。
引っ張り続けたリンカの謎にきちんと答えを提示してくれた点は良かったと思います。

賛否分かれる期限撤廃

これまでのアトリエシリーズにおいて(一部を除いて)定石とされていた数年の期限。
今作ではこの期限が廃止されました。

これは非常に賛否の分かれる点だと思いますが、個人的には×。
限られた期限の中でいかに効率よく採取・調合をこなすか、できることが増える中盤あたりではどれを優先するべきか、頭を悩ませプチパニックに陥りながらも気が付くと時間を忘れて没頭している。
それこそがアトリエシリーズの醍醐味の一つであり、大きな楽しさや達成感に繋がっていた部分だと思います。
それが失われたことでゲームの面白さが半減してしまいました。

一方で気兼ねなく採取や調合が行えるという利点もあるのでしょうが、章立てのストーリーとライフタスクの実装で上手く機能していないと言わざるをえません。

ライフタスクとは、シャリーが思いついたことを達成していくシステム。
メインタスクと心・体・人・技の4種類のサブタスクがあります。

章の初めにメインストーリーのメインタスクが提示され、これをクリアするとフリー行動のメインタスクに移行。
フリー行動のメインタスクは複数存在し、それぞれにポイントが設定されています。
規定のポイント分タスクを消化すると次章へ、という流れ。
進めずに採取・調合することもできますが、アトリエに出入りする度に次の章へ進むか聞かれるので落ち着いてやり込めません。

サブタスクは採取回数、調合回数や討伐数などシャリーのあらゆる行動が対象になっており、クリアすると経験値などのボーナスを得ることができます。

次々と浮かんでくるサブタスクは目下の目標を与えてくれますが、やや煩雑な印象。
解禁されるのはフリー行動時のみで、次章に進める状態になると項目が封印されてしまいカウントされない(一部例外あり)のは不便でしかありません。

これらの理由から結局追い立てられるかのように先へ先へと進むことを余儀なくされ、せっかくの自由度を体感することができませんでした。

帰ってきたマナケミア戦闘

戦闘は前衛3人+後衛3人の6人が参加。

ターンが回ってきた前衛キャラの攻撃時や敵の攻撃時に後衛がアシストを行うことで6人入り乱れのバトルが繰り広げられるのは前作同様。
位置の概念がなくなったことで、より「マナケミア」に近いテンポ良く爽快なバトルになっています。

お馴染みのバーストモードとヴァリアブルストライクも復活。

攻撃を行うことで貯まっていくバーストゲージが100%を超えるとバーストモードに突入。
バーストモードでは通常より大きなダメージを与えられ、チェイン数に応じてより一層のダメージ増加が期待できます。

さらにバースト突入時にゲージが110~130%に達していると、フィールドバーストという特殊効果が発動(110%で1つ、130%では最大の3つ)できます。
フィールドバーストはキャラによって様々な効果があり、総じて強力です。

バースト中は後衛3人が立て続けにアシストできるようになり、3人目のアシストはヴァリアブルストライクという高威力のものに変化。
基本的にボス戦はバーストモードでなければろくにダメージが通らないので、いかに早くバーストモードに持ち込むかが鍵になります。

必殺技ゲージはパーティー共通になりました。
とどめで演出が変化するのは前作同様。

一つ気になったのは、ゲージが貯まるとコマンドが常に必殺技に合うようになっていること。
バースト中ギリギリまでチェイン数を上げてから放ちたい時は、通常と逆の操作をすることになるのでちょっと鬱陶しかったです。

難易度選択も追加。

ファンゲーム(一般的にはノーマル)では特別苦戦することもないですが、ハードコア以上になるとそこそこ歯ごたえあるバトルが楽しめます。

さらに中毒性が増した調合

ベースは前作「エスカ&ロジーのアトリエ」と同じ。

材料となるアイテムを選ぶ→材料アイテムの属性値の合計で効果が決定→潜力(アイテムの威力を高めたり、追加効果を付加したり)を選んで完成。
材料の投入順を変えたり調合スキルを駆使することで、より高性能なアイテムを作ることができます。

今作では新たにチェインシステムを導入。

アイテムにはスキル枠があり、枠の数だけスキルを使用できるのですが、同じ属性のスキルを続けて使っていくことでチェインが繋がり、チェイン値が加算されます。

チェイン値は最大で9999まで加算され、属性値や効力値に還元することができます。
これによって材料の属性値だけでなくスキル枠や付加属性なども考慮する必要が生じ、かなり頭を悩まされました。

効力値の上限は999。
最大チェインでしか到達することができません。

効果や潜力はもちろんのこと、使用回数や装備枠まで加味したアイテムを作成するには試行錯誤の連続で、熱中度は相当なもの。
調合に関してはまさに黄昏シリーズの完成形と言えると思います。

ただ、効力値999を目指すには錬金術士レベル99が絶対条件。
これまでは錬金術士レベル50が上限で、一通りのアイテムを調合すれば達するものでした。

しかし、今作の場合レベル99に到達するための調合を延々と繰り返す必要があります。
ライフタスクでのボーナスも戦闘経験値は大量に入るのですが、調合経験値は微量しか入りません。

加えて、上位の潜力を入手するにもボスをひたすら狩りまくるといった作業が必須。
調合を極めるための下準備に非常に手間がかかり、ひどい中だるみを生んでいるのは大きなマイナスです。

錬成の場所が別になってしまったのも地味に不便ですね。
こんなところまで「マナケミア」仕様に戻さなくてもいいのに。

まとめ

シャリーのアトリエ」は期限撤廃という大きな決断がなされた作品です。

それに伴い極める要素が強くなった調合やエンディング数の大幅減など、従来の何度も周回して遊ばせるスタイルから一周でやり込ませるスタイルへの変化が見受けられました。
一方で、前述した二人の主人公など周回必須の要素もあり、ちぐはぐな印象が否めません。

ストーリーも黄昏シリーズの集大成のようなものを期待すると、がっかりすること請け合いです。

しかし、それらを凌駕するほど熱中度の高い調合と爽快な戦闘で十分楽しめる作品に仕上がっています。

致命的なバグもすでにパッチが配布されているので安心して遊べますよ。

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